ネットの無料動画なんてなめていた。
ヤフー動画をたまに見るくらいだった。
CMがうざいから。ライセンスキーが発行されました、とか何回も出る。
どんどん駄目になって行く。どんどんうざくなって行く。
だから嫌いだった。
でも、最近ギャオ
http://www.gyao.jp/cinema/
で映画を見て、感動したものがいくつかある。
それを伝えよう。
「バベットの晩餐会」
これは良い。美しかった。面白い映画なのかと聞かれれば、うーんと唸るが、芸術的な映画である。
中々深いものがある。けれどレンタルビデオ屋では回転率が悪そうな隠れ名作だ。でもアカデミー賞を取っているらしいから、通の間ではメジャーなのかも知れない。
俺は素人だから知らなかった。
あらすじを話すとこうだ。
田舎町の宗教家を父に持つ姉妹の元に女が流れてくる。
女はフランス革命で旦那も家族も殺されて本人も殺されそうになって紹介状片手に逃げてきたそうな。
姉妹は私達は貧しいから家に置けない家政婦なんか雇えないと断るのだが、
「お金なんかいらない、おいて貰えなければ死ぬ」って涙目なので、敬虔なクリスチャンである姉妹が断れるわけがなく仕方なしに家に置いた。
さて、そこから物語が始まるような気がするが、この映画は単純にそれだけなんですね。
姉妹に恋をする二人の話もあるが、それはただの複線みたいになってる。
田舎町の人達に姉妹は善行で料理を振る舞っているんだけれど、その女が来てから、その女が料理を作る事になり、それが美味い美味いって映画だ。食は芸術だってのが映画のテーマなんでしょうね。そればっかりさ。
でも美しい。
風景と、料理と、人と、この3つが重なった時、美しさを感じる。
なかなかそれが出せる監督はいないでしょう。俳優もいないかもしれない。
しかも普通の家庭料理を美しいと普通思えるのか、それが美に見えるのは凄い。
話的にはなんでも無い話なんですけど、日常の瑣事を愛せよってのが分る。
ストーリー的に最後はその女の正体が分るんですけど、ちょっとびっくりというか、やっぱりかって結末ではある。映画的な面白さを加えたんだろう。個人的にはそれは余計な感じがしないではないけど。
女は最後に町の衆にフランス料理を振る舞うんだけれど、自分の全てをそれにつぎ込む。
姉妹は
「そんな事をして、お金なくして、一生あなた貧乏ではないの」
みたいな事を言う。で、女は
「貧乏ではありません。貧しい芸術家はいません」
って言うんだけどね。いいセリフだと思う。
芸術家の俺の心に染みる。
このラストシーンで感動する所を見ると、やっぱり余計な人物設定では無かったんだなって思うが、別に女は普通の人でも良かったんじゃないかなて感じもする。
そのパターンも見てみたい気がする。
普通に終わる美しさ。
でもそれは私たちが普段の生活で感じるべきものなのかも知れませんね。
芸術性の高い映画でした。
以上、評論でございました。